良い表現者とは
毎日寒いですね〜。
こんにちは。ヴォイストレーナーの美央です。
暑いと寒いだったら、寒い方が楽なのですが、この寒さは堪えますね。
しっかり暖かくして過ごそうと思います。
先日、高校の同級生と久しぶりに会いました。
彼女は、とても真面目で向上心があり、そしてとてもユーモアのある素敵な人です。
学生時代から、国連で働きたいとずっと言っていて、先日その夢の実現に向かい一歩を踏みだしたそう。
近況報告をかねて、いろんな話を聞いてきました。
夢を持っている人って、やっぱり凄い素敵。
魅力的です。
彼女が考えていること、今まで間近で見てきた事は、私の想像を絶するようなサバイバルな状況や、とてもハイレベルな内容なのだろうから、
容易くアドバイスなんか出来そうにないけど、ずっと応援していきたい、ずっと彼女の味方で居たいと、改めて思いました。
元々同級生なので、よ〜く性格は存じ上げている次第ですが（笑）
この人、本当に厳しい人なんだわ。
自分を律する力を持っているという点もそうなんだけど、相談をすると大体辛辣な意見を言う子なのです。
私も辛辣なこと結構言うタイプだけど、彼女には負けるなっていうくらい。クレバーな人ですから、めちゃくちゃグッサリ人の痛いところを突いてきます。
多分普通の女の子なら一発KOです。
本人は、不用意に傷つけてしまうことについて悩んでいるようですが、そういう人なんだもん、しょうがないよねと私は思うのです。
私は、こういう厳しいこと言う人、本当大好きなのね。
凄く綺麗な人だなって思うの。
だって、他人の悩みを自分のことのように捉えないと、絶対に厳しいことは言えないから。
「それはあなたの問題、他人事」って思っている人にはない強さを秘めています。
嫌われることだって沢山あるし、曲げられない信念や、融通が効かないところとか
自分で自分を憎いと思うこともあるだろうけど、
それでも、いつも相手の幸せを念頭に話してるの。
私は彼女に会って辛辣なことを言われるたびに、愛されているな〜と感じるわけです。私のどこかから見えない血が流れていても（笑）
さて、私はいつも歌うと「全部出るよ」と言います。表現力から、自分の性格、自我などなど、自分の「今」が全部そこに現れます。
他人が作詞作曲した曲であろうと、自分で作ったオリジナル楽曲でも、創っていた時と、表現する時というのは、必ずタイムラグがあるものです。
ということは、何を言いたいかというと、必ず、完成された楽曲と、自分の表現は誤差があるものだということです。
何度も言いますが、音楽は生ものです。
プロの演奏家は楽曲を選ぶ事はできません。もちろんある程度自ら選んではいるのですが、
歌う瞬間に、まさに内側で同じように共鳴しているかというと、必ず一致することはほぼありません。
良い表現者とは、必ずどんな状況でも素晴らしいテクニックを持って演奏する人のことではありません。
それは良い演奏者でしかありません。
よく勘違いする人がいます。上手いだけでは人の心は動きません。
良い表現者とは、いかに楽曲に自分の命を込められるかです。
この楽曲が伝えているものが、他人事ではなく、自分事だと思えるか
私はここに全てが集約されていると断言できます。
表現とは、小手先のテクニックではないのです。
その壁を越えた時、本当に、あなたが初めて歌う瞬間が訪れるでしょう。
そうするとね、
感動させたいとか、共感してほしいとか、色んな人に聞いてほしいとか、
そんなことを思わなくても、自然とみんな涙を流したり、熱狂したり、人の心を揺るがす演奏家になることができます。
誰にでも簡単に出来るんです。
ただ、自分を与えるだけでいいのです。
表現力の話になると、実はもっともっと奥が深くて、沢山あるんだけど、とりあえずここまで。
あ、でもね。まずは良い演奏者に先になってもらわないと、困っちゃうからね。
演奏者生命が短くなったら元も子もないから、ちゃんと基礎を創ってからトライしましょう。
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美央 ヴォイストレーナー 歌うということを通して、自分を見つめなおすという活動をしています。
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